覆水盆に返らずの意味とは
覆水盆に返らずの由来は復縁問題!?
今回は覆水盆に返らずの意味や英語での表現、似たことわざなどを紹介していきますね!
具体的な意味
引用元: 広辞苑 第四版一度してしまったことは、取り返しがつかないこと
いったん離別した夫婦の仲は元通りにならないこと
<読み方>
覆水(ふくすい)盆(ぼん)に返らず
<具体的な意味>
・過去に起こった事は変えることができず、後悔しても仕方がない
・失ったり逃したりしたものやチャンスは取り返せない
意味から学ぶ教え
ここでは3つの教えを学ぼう!
過去の出来事や選択を後悔しても仕方がない: この言葉は、一度こぼれた水はもう元の状態に戻らないという事実を示している。起きてしまった出来事を後悔しても、それを取り消すことはできません。そのため「覆水盆に返らず」という言葉は、過去の失敗や過ちに囚われず、前向きに未来に向かう姿勢の重要性を教えている。
新たなチャンスや可能性を見逃さない意識の重要性: 一度こぼれた水が元に戻らないという事実は、失ったチャンスや機会を取り戻すのは難しいという事実を示している。そのため、「覆水盆に返らず」という言葉は、過去の過ちや失敗に囚われるのではなく、未来に向かって新たなチャンスや可能性を見逃さないようにすることの重要性を強調している。
現実を受け入れる大切さ: この言葉の意味として、現実を直視し、起きてしまったことを受け入れる大切さを教えている。過去の出来事を後悔するのは自然なことだが、それに囚われず、前に進むためには現実を受け入れる必要がある。
言葉としての細かな意味と読み方
覆(ふく):何かを覆う、かぶせる、または蓋をすること
覆水(ふくすい):水が容器からこぼれること。水が一度こぼれたら、もう元の容器に戻せない状態を表現する言葉。
盆(ぼん):平らで浅い容器や皿。
覆水が持っているイメージ
覆水は、一度こぼれた水のイメージを持っていて、以下のような意味や感情が含まれてると言われています。
過去の出来事や過ち: 覆水が持つイメージは、起きた出来事や過ちを表現している。一度こぼれた水は元の容器に戻らないように、起こしてしまったの出来事はもう変えることができないという現実を示す。
不可逆性: 覆水がこぼれた後は元に戻せないというイメージから、不可逆性や発生した出来事の取り返しのつかなさを表現している。過去は変えられないため、そこにこだわるのではなく、前に進む姿勢が大切だという意味を持つ。
無常性: 覆水がこぼれた時点で元に戻らない事実は、人生の無常性や一度失われたものは戻らないという現実を表現している。このイメージは、時の流れや人生の終焉など人間の持つものが永遠に続くわけではないという現実を思い起こさせる。
前向きな意味も含む: 一度こぼれた水は戻せないという事実は、昔にこだわるのではなく、未来に向かって前進する姿勢の重要性を教えている。したがって、覆水が持つイメージとしての意味は、過去の出来事や過ちに囚われず前向きな姿勢で未来を切り開くことを示しているとも捉えられる。
覆水盆に返らずの英語表現
覆水盆に返らずの英語ヴァージョンを紹介しますね🙂
直訳した英語表現
“Spilt water will not return to the tray.”
“こぼれた水は二度と(平らな)容器に戻らない”
英語での似た表現
・It’s no use crying over spilt milk.
こぼれた牛乳のことを嘆いてもむだ。
・What’s done cannot be undone.
してしまった物事はやり直しできない
・You can’t unring a bell
鐘を鳴らしたら戻せない
日本語では『水』で表現されていることわざだけど、英語では『牛乳』が使われてるんですね。
覆水盆に返らずの由来・故事
覆水盆に返らずは中国の古典『荘子(そうじ)』に登場する故事に由来すると言われています。
由来となった太公望の物語
引用元: 広辞苑 第四版周の呂、尚(太公望)が読書に耽ったので、妻が離縁を求めて去った。後に尚が斉に封ぜられると再婚を求めてきたが、尚は盆を傾けて水をこぼし、その水をこぼし、その水をもとのように返せばその請を容れようと言ったという故事。
古代中国の王朝”周”で名前は呂尚(りょ しょう、別名:太公望)という男は読書に夢中になる日々を送っていた。そんな男との毎日に嫌気がさした妻は離縁しましょうと去っていった。後に、尚は出世し『斉』という国の領地を貰うと、かつての妻は再婚を求めてきた。
だが、尚という男は盆を傾けて水を地面にこぼし、『その水をもとのように返せばその願いを受け入れてあげるよ』と言ったという故事。
出世したから再婚を求めるという、女の身勝手に報いた痛烈な一矢であるとされています。
太公望と聞いたら封神演義が読みたくなるなぁ。。
※太公望はジャンプ作品、累計発行部数2200万部の大ヒット漫画『封神演義』主人公の名前。
故事成語としての由来
覆水盆に返らずは『こぼした水は戻せないように、過去に犯した間違いは取り返せない』という意味合いで使われる事が多く見られますが、それと同じように『失恋・夫婦の離婚』というシチュエーションに使われる事もあることわざなのです。
その理由としては、上記で紹介した故事での由来~呂尚(太公望)という男と妻の別れ話~が基となっていることわざだからという点があげられます。
でも、こういったシチュエーションでの使い方は意外だったと再確認する人は多いみたいです。
さよなら話から生まれたという由来があるから、それに沿った使い方もされているのですね。
日本での由来や使い方
覆水盆に返らずということわざは、古くから日本で使われています。
このことわざは、日本の古典文学や禅の教えにもしばしば登場し、人生の無常さや過去にこだわらず未来に向かって前進することの重要性を教える際に引用されているのです。
そんな日本でも古くから使われてきたこの言葉は、時代や社会の変化に関わらず、今日でも広く理解されているんですね。
覆水盆に返らずに似たことわざや類語
ここからは覆水盆に返らずの意味に似たことわざや類語を見ていきましょう。
覆水不返
一度こぼれた水は二度と元に戻らないという現実から、一度行った行いを取り消すことはできず、昔の出来事を変えることはできないという事実を示唆した四字熟語。
覆水盆に返らずの四字熟語verだよ。
後の祭り
事が終わった後に悔やんでも遅い、もう二度と起こしてしまった出来事は取り戻せないという意味をもつ言葉。
犯した過ちは取り返しがつかない
一度過ちを犯してしまうと、その後どんなに努力しても元に戻すことができないという意味
落花枝に帰らず
<読み方>
らっかえだにかえらず。
一度過ぎてしまったものや失われたものは二度と戻らないという意味。人生において、一度過ぎた時間や機会は二度と戻ってこないという現実を忘れず、今を大切に生きることが大切であるという意味も含まれる。
破鏡再び照らさず
<読み方>
はきょうふたたびてらさず。
一度壊れてしまった鏡は二度と元通りにはならないという例えから、一度破滅したり、傷ついたりした人生は元に戻ることはなかなかできないという意味を表す言葉。
一去不返
過ぎ去った時間や逃げたチャンス、失われた人生など、一度過ぎてしまったものは二度と戻ってこないという意味を持つ。
その他の似たことわざ・類語
- 時すでに遅し
- 後悔先に立たず
- 臍(ほぞ)を噛む
覆水盆に返らずの対義語
覆水盆に返らずの『これだ!』といえる対義語のことわざや格言は特にないと言われています。
ただ『離婚した夫婦が元には戻れなかった』という故事を由来としていることから反対の意味を持つことわざとして
・元の鞘に収まる(元の状態や場所に戻ること)
つまり『離婚した夫婦が~元の鞘に収まる~再婚した』こちらが反対の意味を持つ対義語に近いのではないかという説があります。
覆水盆に返らずの使い方と例文
ここからは覆水盆に返らずの使い方や例文を紹介していきます。
具体的な使い方と例文
覆水盆に返らずの具体的な使い方の例としては
1:事で大切なプロジェクトをミスしてしまった友人に対して、「発生したミスをくよくよするのではなく、前に進んで次のチャンスを探そう。覆水盆に返らずだからね。」と励ます行為ができる。
2:失恋してしまった友人に、「今回の恋愛はうまくいかなかったけれど、未来には新しい恋が待っているよ。覆水盆に返らず、前を向いていこう。」と慰めることができる。
3:自分自身に対して、「過去の過ちや失敗にこだわるのは無駄だ。覆水盆に返らず、今から新しいスタートを切ろう。」と前向きな気持ちで次のステップに進む決意をすることができる。
これまで紹介してきた通り、覆水盆に返らずは過去の過ちや失敗に囚われず、前向きに未来に向かって行動しようという意味を持つから、日常的ではネガティブな状況を改善する時に使えることわざと言えますね。
使い方の注意点
覆水盆に返らずの使い方として、次の点を注意しましょう。
1:適切なタイミングで使用する: このことわざは、過去の失敗や過ちに囚われず、前向きに未来を見据えることを奨励する意味を持つ言葉。そのため、発生した過ちに対して落ち込んでいる人や、前に進む勇気を必要としている人に対して使うと効果的。
2:優しく励ます言葉として使う: 「覆水盆に返らず」は、他人を励ますための言葉として使われる場合が多い。そのため、相手の心情を考慮し、優しく励ます言葉として使うのが大切。
3:自己批判や非難に使わない: このことわざは、過去の過ちや失敗に囚われず、前進することの重要性を教えるための言葉。そのため、他人や自分を非難するために使うのではなく、前向きな気持ちで未来に向かう励ましの言葉として使うのがポイント。
これらの使い方の注意点を考慮しながら、覆水盆に返らずの意味を捉え伝える事で、相手を励まし、前向きな気持ちにさせることができるんですね。
覆水盆に返らずが表現する人間関係
ここからは覆水盆に返らずにまつわる人間関係を見ていきましょう。
ことわざから象徴される夫婦関係
覆水盆に返らずの意味や由来は、夫婦関係においても同様の意味合いがあります。
具体的には、夫婦間で起きるトラブルや対立は一度起きたら元に戻すのは難しいという現実を示しているんです。
例えば、夫婦間での言葉の暴力や不信感、浮気などの出来事は一度起きたら元に戻す事は難しく、夫婦関係に傷を残す可能性があります。
このような場合、覆水盆に返らずの意味や教訓を踏まえて、過去の過ちやトラブルをくよくよと悔やむのではなく、夫婦関係を修復し新たなスタートを切るのが重要なのです。
また、夫婦関係においてもお互いを許し合い、過去の過ちに囚われず前に進もうという意味も示唆されています。
起きてしまったトラブルを乗り越え、お互いを支え合い未来に向けて共に歩んでいく行為が、夫婦関係の象徴となるんですね。
ことわざに見る仕事での人間関係
覆水盆に返らずは仕事面でも使われることわざなんです。
仕事において、過去の失敗や誤りに囚われていては前進できない。
そういったミスや失敗から学び、それを乗り越えて新たなチャレンジに取り組む姿勢が重要であり、また過去の成功や達成に安住せず、常に新しい目標を設定し成長し続けることも大切なのです。
それに加え、覆水盆に返らずの教訓はチームワークやコミュニケーションにも関連しています。
仕事で間違いやミスが発生してしまった場合、お互いを責めるのではなく問題解決に向けて協力し合い次のステップに進むポジティブ思考が求められる。
覆水盆に返らずの教えを生かし、過去の失敗や過ちに囚われず、常に前向きな姿勢で新しいチャンスに挑戦し、成長していくことが重要なんですね。
仕事での人間関係に置いて、お互いを励まし合い新たなステップへ進む時に使える意味を持つことわざなんですよ。
ことわざに見る人間関係のとらえ方
仕事面や夫婦関係なども含めた、人間関係と覆水盆に返らずのとらえ方として大きく3つの視点があります。
1、双方向の理解と許し: 過去のトラブルや誤解が関係に影響を与えた場合、双方がお互いを理解し許し合うことが重要。過ちを乗り越え、関係を修復するためにはお互いに対する理解と許しの心が欠かせない。
2、共通の目標とコミュニケーション: ミスやトラブルを乗り越え関係を修復するためには、共通の目標を設定しお互いに対するコミュニケーションを大切にするのが重要。適切なコミュニケーションを通じて、お互いの気持ちや考えを理解し合い関係を強化することができる。
3、過去の過ちにこだわらない: 人間関係においては、昔のトラブルや失敗が関係を蝕む場合がある。でも「覆水盆に返らず」の意味と教訓を念頭に置くことで、起きた過ちに囚われず、前向きな気持ちで関係を見つめ直せるようになる。
覆水盆に返らずの意味を知り、それによって学んだ教訓を念頭に置くことで、人間関係において過去の過ちに囚われず、前向きな姿勢で関係を修復し、より良い未来を築く事ができるんですね。
覆水盆に返らずが示す取り返しのつかない状況
ここからは覆水盆に返らずの意味のままに、取り返しがつかなくなってしまう状況や事例などを紹介しますね。
取り返しのつかない日常的な事例
覆水盆に返らずの意味のままになってしまった事例。
1,言葉の暴力や傷つける発言: 一度口に出た言葉は元に戻せないため、相手を傷つけるような言動は取り返しがつかない場合がある。長期間にわたって関係を壊す可能性も持つ。
2,信頼関係の崩壊: 信頼関係が崩れた場合、一度壊れた信頼を取り戻すのは難しい場合がある。特に、嘘や秘密の隠匿などが関与する場合、元の信頼関係に戻すのは難しいともされている。
3,法的な問題や犯罪行為: 法的な問題や犯罪行為に関与し一度逮捕されたり訴えられたりすると、その後の生活や社会的評価が大きく影響を受ける場合がある。
4,健康問題や怪我: 一度健康を損なったり怪我をしたりすると、元の状態に戻す事ができない場合がある。(自分の不注意や怠惰な生活から発生してしまった)慢性的な病気や重大な怪我の場合、元の健康状態に戻すのは困難となる。
これらの事例は、一度起きた現実や失われたものを取り戻すのが難しい、あるいは不可能であるという、このことわざのそのままの意味を示しています。
だから覆水盆に返らずの教訓を念頭に置き、慎重に行動を選ぶことが重要なのです。
取り返しのつかない復縁の事例
覆水盆に返らずの意味のままになってしまった復縁での事例。
1、再び同じ問題が起きる: 過去に関係を悪化させた問題やトラブルが解決されていないまま復縁した場合、同じ問題が再び起きる可能性がある。この場合、復縁しても関係が修復されるのは難しいかもしれないとされている。
2、相手の感情や意思を無視する: 相手が復縁に興味を示さない場合や新しい関係を築きたいと考えている場合に、強引に復縁を求めることは相手を傷つけるだけでなく、関係をより悪化させる可能性がある。
3、新たなトラブルの発生: 復縁後に新たなトラブルや問題が発生し関係が再び崩壊する可能性がある。過去の問題が解決されずに復縁した場合、同じパターンが繰り返される事例がみられる。
4、個々の成長や変化が十分でない: 別れた後にお互いが個々に成長し、変化を遂げる行為が十分でない場合、関係を再開しても同じ問題が再び起きる可能性がある。個々の成長や変化が不十分なまま復縁するのは、関係の修復には役立たない。
これらの事例は、復縁を求める際に「覆水盆に返らず」の意味や教訓を念頭に置き、慎重な判断が必要である事を示しています。
復縁を考える際には、過去の問題を解決し、相手の感情や意思を尊重し、お互いが成長し変化することが重要なんですね。
終礼
今回は覆水盆に返らずの意味や英語での表現方法、類語などを紹介させて貰いました。
仕事・夫婦関係・復縁など日常でも多く使われる、このことわざの教訓を生かして前向きな未来を描けたらいいですね。