背景画像⑤

情けは人の為ならずの意味を学んで誤用にご用心!

情けは人の為ならずの意味を学んで誤用にご用心!

情けは人の為ならずとは?本来の意味と誤用

誤用にご用心!情けは人の為ならずとは?

これから、有名なことわざの『情けは人の為ならず』の意味や例文、由来などを紹介していきますね。

気を付けたい誤用≒間違った使い方も知って、正しく使っていきましょう!

言葉の本来の意味と解釈

なさけを人にかけておけば、めぐりめぐって自分によい報いが来る。

人に親切にしておけば、必ずよい報いがある。

引用元: 広辞苑 第四版

・他人を思いやる心・行動は、将来的に自分のためになる事が多くある
・誰かに情けをかける行為は、自分のためになる行ないでもある

時には面倒にも思えてしまう『誰かの世話をする行為・手助けする行動』は、将来的に自分にとって良い結果となって帰ってくる~つまり自分に対して行っている行為でもあるという意味を持ったことわざなんですよ。

誤用の典型例とその原因

人の為ならず⇒その人の為にならない。という意味ではありません!

その人の為にならない。という意味では無いよ!

情けは人の為ならずは、上記でも紹介した通り『人の為に情けをかけ、思いやりを持って接する行動が自分の為に戻ってくる』という意味なんです。

要するに『人の為ならず≒自分の為になる』と思って手助けする・目にかけること

でも助ける事は相手の成長にならない。相手に甘えの心が生まれてしまう。だから何もしないといった誤用の典型例が生まれてしまってる事もあるみたいなんです。

原因としては『人の為ならず⇒その人の為にならない』といった意味にとらえてしまっているからなんですね。

情けをかける事は、対象者の成長や気づきを奪ってしまうから何も手助けしない・無視しておく

という解釈をして誤用してしまっている人もネット上で検索するといるみたいです。

でもそれは間違いなんです!

情けをかける事は誰かの為ではなく自分の為なんだよ、だから人の為ならずと言われているんだと認識しましょう。

決して『人の為ならず⇒そいつの為にならない』と間違った意味で解釈して誤用しないよう注意しましょうね。

情けとは?辞典的説明

①人間としての心・感情
②ものをあわれむ心・慈愛・人情・おもいやり
③みやび心・風流心
④ふぜい・興趣
⑤男女の情愛・恋情・恋心・情事
⑥義理・おなさけ

使い方と例文

情けは人の為ならずは『人助け』をするという心を教えたりする時に、よく使われることわざです。

誰かを思って善の行ないをする心が、将来自分の為になるという事を諭す使い方が多く見られます。

例文

誰かの為を思うことは、自分の為でもある。他の誰かを思う事で、自分には思いやりの心が育まれたり相手の事を考えられて優しくなれたりする。

それは自分を人間として高められる行為なんだ。

情けは人の為ならずは、自分自身の成長や善行を呼ぶためにあるんだよ。

例文~その他

・困っている友達を見つけて、手を差し伸べてあげたことによって信頼を得て、後々自分の役に立つ事が増えた。

・他人を無償で助ける事で、自分自身の成長に繋がり心の豊かさを得る事ができた。それによって日常生活で起きる出来事を柔軟にとらえられるようになり優しくなれた。

情けは人の為ならずの英語

英語での言語表現
  • One good turn deserves another.
    1つの善行は別の善行を受けるに値する。
  • Kindness is never wasted.
    親切が無駄になることは決して無い。
  • Vertue and happiness are mother and daughter.
    美徳と幸福は母と娘。

日本語での深意や両言語での表現の違い

日本語の表現である「情けは人の為ならず」は、人に対する思いやりや同情心は単なる他人のためだけではなく、最終的には自分自身にも利益や幸福をもたらすという深い意味を持っています。

これは、人間関係や社会的な相互作用の複雑さを示唆するものなんです。

ただ、この言葉を直訳の英語で表現すると「Compassion benefits not only others but oneself as well」となり「情け」のニュアンスや深い意味を十分に伝えきれません。

だから、英語で同じような意味を表現する際には、より適切な表現や類似のことわざを使用することが一般的なんです。

例えば、同様の意味を持つ英語のことわざとしては
What goes around, comes around.
Do unto others as you would have them do unto you.がある。

これらの英語表現は、他人に対する善意や思いやりが最終的には自分自身にも良い影響をもたらすという考え方を伝えることができるんです。

「情け」と「親切」の違い~対義語と類義語を深掘り

このことわざと意味合いが似ている言葉を紹介していきますね。

「情け」の類義語とそれぞれの意味合い

まずは似ている意味を持つことわざや四字熟語などを見ていきましょう。

陰徳あれば陽報あり

<読み方>いんとくあればようほうあり

人知れず良い行いをすれば必ず良い報いはある

出典: 淮南子

恩を売る

相手からの見返りを予期して恩を施す

出典: 広辞苑 第四版

下心見え見えの恩を売るのは嫌われちゃうかもだよ!

因果応報

<読み方>いんがおうほう

過去における善悪の業(ごう)に応じて現在における幸不幸の果報を生じ、現在の業に応じて未来の果報を生ずること

出典: 広辞苑 第四版

要するに『良いことをすれば良いことが返ってくる』『悪いことをすれば悪いことが返ってくる』という意味です。

善因善果

<読み方>ぜんいんぜんか

善い行いには安楽な果報があるということ

出典: 広辞苑

因果応報を基とした言葉です。

その他の類語・単語

  • 人を思うは身を思う
  • 積善(せきぜん)の家には必ず余慶(よけい)あり
  • 思えば思わるる

「親切」と「情け」の違いとは

「情け」と「親切」は、両方とも他人に対する思いやりや配慮を示す意味を持つ言葉ですが、微妙な違いがあります。

「情け」は、他人の苦しみや困難に同情し、その対象者の状況を理解し共感する気持ちを指します。それに対して、「親切」は他人のために自分の時間やエネルギーを使って、手助けや支援を提供する行為の事をいうんです。

例えば、友人が悲しみに沈んでいるとき「情け」はその友人の気持ちを理解し、共感して一緒に悲しむことを意味しています。

つまり、「情け」は感情や共感のレベルであり、「親切」は具体的な行動や行為のレベルであると言えるんです。

一方、「親切」は、その友人が悲しんでいるときに、彼らに寄り添い、支えの手を差し伸べたり、何か役に立つことをしてあげることなのです。

つまり「情け」は感情面での理解や共感を示すことであり、「親切」はそれに加えて具体的な行動や支援を提供することなんですね。

情けの対義語とその使い方

続いては対義語~反対の意味を持つ言葉を見ていきましょう。

悪因悪果

<読み方>あくいんあっか

悪い原因には悪い結果が伴うこと

出典: 広辞苑 第四版

恩を仇で返す

<読み方>おんをあだでかえす

恩返しをしないばかりばかりか、かえって仇を以て報いる

出典: 広辞苑 第四版

仇~自分に害となるもの・かたき~という意識を持って、恩義に報いるという意味。

情けも過ぐれば仇となる

人に対して過剰な情けや優しさを示すと、その対象者が弱みを握られたり、依存されたりすることになり、かえって迷惑や害になること

誰かに対して情けをかけて接する事は大切な事ですが、過剰に掛けすぎると望まぬ結果を生んでしまう可能性があるので、度合いを調整する必要性を説いています。

その他の対義語

  • 情けが仇
  • 情けの罪科

これかな?情けは人の為ならずの由来と歴史

このことわざは、確証的な由来はないと言われていますが『そうではないか?』と言われている話を1つ紹介します。

登場人物は坂上田村麻呂という2度も征夷大将軍になっているお偉いサマだよ。

由来エピソード

平安時代、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)という武士が山の中で迷子になってしまい途方に暮れていたところ、1人の老婆と出会う。体力的に劣っている老婆の手助けを坂上田村麻呂が行なう事によって、その辺りの地に詳しい老婆から山道などを教えてもらい迷っていた彼自身も助かったという説。

迷子になって困っている状況の中で、どこの誰かも知らない老婆を助けるという善行に至った坂上田村麻呂は結果的に状況を打開する方法を見つけられたという説が由来じゃないかと言われています。

要するに、自分が迷子になって困っていた中、おばあさんを助けるという行為をした事によって自分も助けられたという事ですね。

一見、迷子になった解決法として何の関係も無さそうな人を助けるという行為によって自分も救われたんですよ。

仏教思想と情けは人の為ならずの関連性

情けは人の為ならずという言葉は、仏教の教えと深い関連があるんだよ!☆

情けは人の為ならずという言葉は、仏教の教えと深い関連があるんだよ!

仏教では、慈悲(じひ)や思いやりの心を育て、他者への尊重や支援を重視しています。

この考え方は「慈悲深き心」(仏教では「慈悲心」とも言う)を持つことが重要であるという教えに基づいているのです。

「情けは人の為ならず」ということわざは、これまで紹介してきた通り他人に対する同情や思いやりが、その対象者の利益だけでなく、最終的には自己の利益や幸福にも繋がるという仏教の考え方も示してるんです。

仏教では、他者と自己の間には本質的な区別がないと考えられており、他者への思いやりや善行は自己の成長や幸福にも繋がるとされているんです。

また、仏教の教えでは、自己中心的な欲望や執着から解放されることが重要視されています。

他者に対する思いやりや慈悲の心を育てることで、自己中心的な執着から解放され、心の平和や喜びを得ることができるとされてるんですね。

だから、仏教において重要視されてる考えである、自己の利益や幸福を追求するだけでなく他者への思いやりや慈悲の心を持つことが、『情けは人の為ならず』ということわざと関連性があるのです。

終礼

今回は『情けは人の為ならず』ということわざの意味や誤用しないための注意点などを紹介させて貰いました。

このことわざが示している本来の意味を知って、人に対して善いことをする善行が増えればいいですね。

小さなところからでも誰かの為を想える心が育まれて、助けられた人も『嬉しい』というプラスの感情が生まれるような世界が増えますように!

ライター紹介 Writer introduction

さるった

さるった

(知ってて) 損にはならない知識をお届け! 親しみやすいページ作りを心掛けてます♪

page top