
コピーライターで花屋の元店員です。日々多くの花に触れてきた経験から、今回は夏から秋にかけて注目が高まる植物「ルリタマアザミ」とその花言葉について、丁寧にご紹介いたします。ルリタマアザミは見た目の美しさだけでなく、意味や由来にも深い魅力があります。この記事では、類似植物との違いや利用方法、感情的価値についても詳しく掘り下げます。
ルリタマアザミの基本情報

- 和名:ルリタマアザミ(瑠璃玉薊)
- 英名:Globe Thistle(グローブシスル)
- 学名:Echinops ritro
- 分類:キク科ルリタマアザミ属
- 原産地:ヨーロッパ南東部~西アジア
- 開花時期:7~9月
- 花色:青紫、青、白(品種により)
- 草丈:50〜120cm程度
良さ・魅力ポイント
- 幻想的な花姿
球体のように丸く咲く花が特徴で、花色は深みのある瑠璃色。まるで夜空の星のような幻想的な存在感があります。 - 切り花やドライフラワーにも最適
花持ちが良く、ドライにしても色が比較的残りやすいため、アレンジメントに大人気です。 - 害虫がつきにくく育てやすい
丈夫で乾燥にも強く、病害虫の被害が少ないため、初心者にも育てやすい多年草です。 - 庭に動きを与える存在感
縦に伸びる茎と丸い花形のコントラストが、庭のアクセントとして優れています。ナチュラルガーデンや洋風の庭にぴったりです。
ルリタマアザミの花言葉

1. 鋭敏(えいびん)
- 丸い花の一つひとつが細かな小花で構成され、よく見るととげのように尖った印象があります。この見た目から、「感覚が鋭い」「細かいことによく気づく」といった意味合いが込められました。
- 芯の強さや、独自の美的感覚を持つ人への贈り物に適しています。
2. 独り立ち
- 一本まっすぐに伸びた茎の先に、孤高に咲く球状の花。その孤高な佇まいが、自立している姿と重なり、「独り立ち」という花言葉に結びついています。
- 新たな門出や就職、引っ越し祝いなどにも好まれます。
3. 権威
- ルリタマアザミの花は、まるで王冠や宝珠のような存在感を放ちます。そこから「威厳」や「権威」といったイメージがつけられました。
- 堂々とした人物や、リーダー的存在への尊敬の気持ちを伝えるときにもぴったりです。
色に由来する象徴性
- **瑠璃色(るりいろ)**は、古くから高貴な色とされ、仏教では「清浄」「智慧」を表す色でもあります。ルリタマアザミの深く澄んだ青は、そうした精神性や気高さも暗示しています。
花言葉の背景と文化的な意味
- ルリタマアザミは、ヨーロッパでは中世の頃から薬草や観賞用として親しまれてきました。特にハーブガーデンなどでは、ミツバチを呼ぶ花として重宝され、「自然との調和」「自律した生き方」を象徴する存在でもありました。
ルリタマアザミの花言葉~色別ver

ルリタマアザミの花言葉は一般的に「鋭敏」「独り立ち」「権威」などが知られていますが、色別の花言葉については、バラやカーネーションのように明確な分類はされていません。ただし、花の色ごとの象徴性や印象から意味を補足することは可能です。
以下に、ルリタマアザミの色別の特徴と、それに関連付けられるイメージや花言葉のニュアンスを詳しくご紹介します。
青・青紫(最も一般的)
- 象徴色:冷静・知性・神秘・誠実
- 関連花言葉:「鋭敏」「独り立ち」「冷静な知性」
この青紫の花色は、まさにルリタマアザミを象徴する色です。深みのある青は、知性や静けさ、品格を感じさせ、「感性が鋭く、孤高に生きる」ような人物像を想起させます。
→ 就職祝いや進学など、新たな一歩を踏み出す人への花として人気があります。
白(園芸品種)
- 象徴色:純粋・無垢・高潔・浄化
- 関連花言葉(推定):「無垢な自立」「清らかな強さ」
白いルリタマアザミは稀少で、観賞用として育てられる園芸品種です。白は「始まり」や「清らかさ」を象徴する色なので、内面の強さや純粋さと結びつけた意味として解釈されます。
→ 自分らしくありたいと願う人や、内面の美しさを大切にする人への贈り物に。
シルバーグレー(咲き始めやドライフラワー時)
- 象徴色:落ち着き・洗練・控えめな知性
- 関連花言葉(推定):「静かな威厳」「知的な自律」
ルリタマアザミは、咲き始めやドライにすると銀灰色がかった表情になることがあります。この色合いは落ち着いた大人の印象を与え、「見せつけない美しさ」や「控えめな自信」を象徴します。
→ 上品で控えめな人への敬意を伝えるのに適しています。
補足:色ごとの意味は文化的背景や感性で変化
「色によって明確に異なる花言葉がある花」ではありませんが、花色の印象から連想される言葉や受け取る人の性格に重ねて選ぶ花として、とても奥深い意味を持ちます。
ルリタマアザミの花言葉の由来

ルリタマアザミ(瑠璃玉薊)の花言葉には、「鋭敏」「独り立ち」「権威」などがあります。これらの花言葉は、花の形状・色・生育の姿勢からインスピレーションを得て生まれたもので、視覚的・文化的な連想によって意味づけられています。以下に、それぞれの由来を詳しく解説します。
「鋭敏」の由来
◎ 連想される特徴
- 花の形は丸くて美しい球状ですが、よく見ると棘のある細い花びらが密集しており、まるで無数の針のように尖っています。
- また、葉にも鋭い切れ込みや棘があるため、繊細かつ刺々しい印象を与えます。
◎ 花言葉の背景
こうした「見た目は美しいが、近づくと鋭い感覚を持つ」花姿が、人の感性や感受性の鋭さと重なり、**「鋭敏」**という言葉が与えられました。感覚や直感に優れた人に贈る花としても人気です。
「独り立ち」の由来
◎ 連想される特徴
- ルリタマアザミは、まっすぐに伸びた茎の先端に、ひとつの花だけを咲かせるという独特の咲き方をします。
- 群生することもありますが、一本一本の草姿には孤高の美しさが漂います。
◎ 花言葉の背景
一本でしっかりと立ち、どんな環境でも毅然と咲くその姿は、「自立」「孤高」「芯の強さ」を象徴します。そこから、**「独り立ち」**という花言葉が生まれました。
「権威」の由来
◎ 連想される特徴
- 球状の花は整っていて堂々としており、まるで王冠や宝珠、儀礼用の球体装飾のような気品があります。
- また、ルリタマアザミはその名の通り「瑠璃色(高貴な青)」で咲き、この色は古来より高位・神聖・威厳を表す色とされてきました。
◎ 花言葉の背景
花の形状と色彩が放つ「威厳ある存在感」から、**「権威」**という言葉が生まれたと考えられます。知性と品格を備えた人物像と重ねて贈られることが多い花言葉です。
補足:花言葉の由来はどこから?
これらの花言葉は、19世紀ごろの西洋で盛んだった「花言葉(フロリオグラフィ)」の文化に由来します。日本には明治時代以降に西洋文化とともに伝来し、植物の特徴や日本的な感性も交えて意味づけがなされました。
ルリタマアザミの花言葉は怖いの?

ルリタマアザミの花言葉「鋭敏」「独り立ち」「権威」は、一見すると少し冷たく、孤独や厳しさを感じさせる印象を持つかもしれません。そのため、「怖い」と感じる方もいるかもしれませんが、実際にはポジティブで力強い意味合いが込められています。
以下に、「怖い」と思われがちな理由と、本来の意味を丁寧に解説します。
「怖い」と思われる理由
◎ 1. 花の見た目が“棘の球体”
ルリタマアザミの花は、まるで鋭い針をまとったような球状です。この外見から「攻撃的」「近寄りがたい」といった印象を受ける方もいます。
◎ 2. 花言葉の「鋭敏」「独り立ち」などの表現
これらの言葉には、繊細で敏感なイメージや、他者から距離をとるようなニュアンスがあるため、やや冷たい・孤高といった「孤独」や「強すぎる」印象を与えることも。
◎ 3. 「権威」=強い支配力・威圧感
「権威」という言葉には、“上下関係”や“力による支配”といった印象を持つ人もおり、それが「怖い」と感じられる場合があります。
本来の意味は「強さと美しさの象徴」
ルリタマアザミの花言葉は、ネガティブな怖さではなく、内に秘めた強さ、孤高の美しさ、静かなる威厳を称えるものです。
- **「鋭敏」**は、感受性の高さや頭の回転の速さを意味します。才能や直感に優れた人をたたえる言葉。
- **「独り立ち」**は、自分の力で立ち、他に依存せずに生きる姿勢。困難に立ち向かう人への尊敬を込めて。
- **「権威」**は、尊敬される立場・高い信頼を象徴する言葉。指導的立場の人にふさわしい表現です。
つまり、怖さというよりも、**他を圧倒するような「気高さ」や「意思の強さ」**が込められているのです。
贈り物としてふさわしい相手
- 自立した生き方をしている人
- 静かに努力する姿が印象的な人
- 知的で凛とした雰囲気のある人
- 独自の世界観を持つアーティストやクリエイター
まとめ:怖いのではなく「近寄りがたいほどに美しい」
ルリタマアザミは、バラの棘にも似た「美しさと強さの両立」を象徴する花です。もしその花言葉を“怖い”と感じたなら、それは真の強さを宿す存在に対する畏敬の念なのかもしれません。
ルリタマアザミの面白いエピソード

- 「タマネギ?」と間違えられることも
花が咲く前の蕾の姿が、まるで青いタマネギのように見えるため、園芸初心者には驚かれることもしばしば。 - ヨーロッパでは“蜂を呼ぶ花”
ルリタマアザミの花は蜜が豊富で、ヨーロッパではミツバチを呼ぶハーブとして養蜂家にも人気。蜂の活動を促す“バンケットプラント”として知られています。 - ドライフラワーとして戦時中に重宝
イギリスでは第二次世界大戦中、生花が不足する中で、ルリタマアザミのドライフラワーが兵士への贈り物として使われていた記録もあります。
ルリタマアザミに似た花

キク科エキノプス属に分類されるルリタマアザミ(和名:瑠璃玉薊)は、多年草です。その球状の青紫色の花は非常に特徴的で、英名では“globe thistle”とも呼ばれています。学名は「Echinops ritro」とされ、属名のエキノプスはギリシャ語で「ハリネズミ」を意味します。
このユニークな形状から、他の似た雰囲気を持つ植物と混同されることもあります。以下では、特に似ているとされる花をご紹介します。
似ている花の代表:スカビオサとは
スカビオサ(マツムシソウ)は、やわらかな花弁と丸みのある花姿が特徴の植物です。スカビオサも開花期が夏から秋にかけてで、ルリタマアザミと同じように涼しげな雰囲気を持ちます。ただし、ルリタマアザミのようなトゲ感や硬質な印象はなく、より繊細で優しい印象です。
他の類似花:アリウムとキンセンカ
アリウムはネギ科の球状の花を持つ植物で、球体という形状からルリタマアザミに似ていると感じる方も多いです。特にアリウム・ギガンチウムなどの大きな品種は印象的です。一方、キンセンカは色味や質感が違うものの、春から初夏にかけての開花時期や切り花としての流通が共通点となっています。
ルリタマアザミと他のアザミ種の違い
ルリタマアザミはその名の通り、アザミの仲間と誤認されがちですが、正確には属が異なります。一般的なアザミはアザミ属(Cirsium)に分類され、葉や茎に強いトゲを持つ点は似ていますが、ルリタマアザミはより装飾的で花の形が球状という大きな違いがあります。
ルリタマアザミの利用方法

ルリタマアザミはその独特なフォルムと色合いから、さまざまな用途で人気があります。特にフラワーアレンジメントやドライフラワーに適しており、花束やギフトシーンでも重宝されます。
フラワーアレンジメントにおける利用
フラワーアレンジメントでは、ルリタマアザミはその立体的な形状と涼しげな色で「抜け感」や「動き」を演出するのに適しています。スターチスやユーカリなど、質感の異なる花材と組み合わせることで、作品全体に深みが出ます。
ドライフラワーとしての活用法
ルリタマアザミは乾燥させても色が比較的よく残るため、ドライフラワーとして非常に人気があります。花屋勤務時代、お客様から「長く楽しめる花」としてリクエストされることが多く、季節を問わず需要がありました。
花束やギフトとしてのルリタマアザミ
プレゼントやお祝いの場でも、ルリタマアザミは個性的なアクセントとして重宝します。感情を伝える手段としての「花言葉」の意味合いも強く、「独立」や「権威」といったキーワードが、新生活を始める方や昇進祝いなどにぴったりです。
ルリタマアザミを知るメリット
この花を知ることは、単に植物の知識を深めるだけでなく、贈り物や感情表現の幅を広げることにもつながります。以下ではその理由を詳しく解説します。
人気の理由とその感情的価値
ルリタマアザミの人気の理由は、まず見た目の美しさにあります。ブルー系の色は感情を落ち着ける効果があり、トゲのような硬質な様子が逆に繊細な感情を表す手段として評価されています。
誕生花としての意味とお祝いの使い方
ルリタマアザミは、7月21日など一部の地域で誕生花とされています。誕生日の花束に取り入れることで、個性的なギフトとして特別感を演出できます。花言葉を添えて贈ることで、より深い感情が伝わります。
ルリタマアザミが持つ権威とは?
花言葉の一つ「権威」は、花の形や色が放つ重厚な雰囲気に由来します。その気高さや存在感は、まるでリーダーのような印象を与え、尊敬や信頼の象徴とされています。
ルリタマアザミに関するよくある質問
最後に、日々お客様からよくいただいた質問に基づいて、ルリタマアザミの基本情報をQ&A形式でご紹介します。
ルリタマアザミの生育環境は?
日当たりと水はけのよい環境を好みます。耐寒性・耐暑性ともに強く、地植えでも鉢植えでも育てやすい植物です。春に植え付けると夏から秋にかけて開花します。
ルリタマアザミの種類と品種
園芸用として流通している主な品種には「ベッチーズブルー」や「タプリンブルー」などがあり、それぞれに微妙な色や形の違いがあります。また、ヒゴタイ(瑠璃玉薊の別名または近縁種)とも混同されやすいですが、厳密には異なる植物です。
ルリタマアザミを育てるポイント
風通しを確保し、過湿を避けることが重要です。また、開花時期には切り戻しを行うと、株が長持ちします。開花後のつぼみも美しく、ドライフラワーとして利用可能です。
ルリタマアザミの他は?日本で人気の花々
日本で人気の高い花10種を、それぞれの良さと共にご紹介します。季節感や花言葉、見た目の美しさ、育てやすさ、贈り物としての魅力などを含めて選定しました。
1. チューリップ
春の代表的な花で、色とりどりの花姿が魅力。赤・黄・白・紫など種類も豊富で、整ったフォルムと明るい色調が心を明るくしてくれます。花言葉は「思いやり」や「誠実」など、贈り物にも最適。
2. 薔薇(バラ)
美と愛の象徴として不動の人気を誇る花。色によって「愛」「尊敬」「友情」などの花言葉が異なり、感情を伝える花として圧倒的支持を得ています。香り高く、品種も非常に多いのが特徴です。
3. 桜(サクラ)
日本文化と切っても切れない春の風物詩。花が咲く瞬間の美しさと、すぐに散る儚さが、多くの人の心を打ちます。「精神美」「優れた美人」などの花言葉を持ち、風景・情緒ともに魅力的です。
4. 紫陽花(アジサイ)
梅雨の時期を美しく彩る花で、土壌の酸性度によって青やピンクに色が変化します。花言葉は「移り気」「家族団らん」など多様で、切り花や鉢植えにも人気があります。
5. ひまわり
夏を象徴する元気な花で、太陽のような明るい黄色が印象的です。花言葉は「憧れ」「あなただけを見つめる」など前向きなメッセージが多く、子どもから大人まで幅広く好まれます。
6. カーネーション
母の日の定番花で、花持ちが良く品種も豊富です。赤は「母の愛」、ピンクは「感謝」、白は「純粋な愛」など、色でメッセージが変わるのも魅力。ギフトにぴったりの花です。
7. ガーベラ
パステルカラーからビビッドカラーまで豊富で、見た目が明るくポジティブな印象を与えます。「希望」「前向き」などの花言葉を持ち、フラワーアレンジメントにもよく使われます。
8. コスモス
秋を代表する花で、風に揺れる姿が可憐。花言葉は「調和」「謙虚」で、見た目の素朴さと気品を兼ね備えています。日本全国で親しまれ、種まきから育てる楽しさもあります。
9. ユリ(百合)
存在感のある大輪の花で、香りも高貴。白は「純潔」、ピンクは「虚栄」、黄色は「陽気」など、花言葉も色によって豊かに表現されます。フォーマルな場の贈り物にも重宝されます。
10. スイートピー
春先に咲く甘い香りのある花で、蝶が舞うような姿が愛らしいです。花言葉は「門出」「優しい思い出」など、卒業や送別シーズンの花束に多く用いられます。
まとめ
ルリタマアザミの魅力を再確認し、植物としてだけでなく感情の伝達手段としてもその価値を感じていただければと思います。
ルリタマアザミの魅力再確認
見た目のインパクト、強さと繊細さを併せ持つ性質、そして意味深い花言葉。これらがルリタマアザミの大きな魅力です。
今後のルリタマアザミとの関わり方
今後、ギフトや自宅用の植物として、ルリタマアザミを選ぶことで、日常にちょっとした驚きと感情の深まりを与えてくれるでしょう。花屋の元店員として、自信をもっておすすめします。
ライター紹介 Writer introduction

さとすけ
花屋で働いてた日本男児(O型) コピーライターの経験も活かし花に関して、わかりやすく&信ぴょう性がある記事作りを心掛けながら配信中。 instagramでは「動く!4コマ漫画~花言葉劇場」を投稿しています。
