
こんにちは。コピーライターで花屋の元店員です。今回は、海岸に咲く可憐な花「ハマナス」と、その奥深い「花言葉」にフォーカスして、植物としての魅力から、文化的背景、育て方まで幅広く紹介します。
ハマナス(浜茄子)は、その美しさと香り、そして儚くも印象深い花言葉によって、多くの人々の心を惹きつけてきました。バラ科に属するこの植物は、特に北海道や日本海沿岸でよく見られる自生種であり、観賞用としても人気です。
ハマナスの基本情報

和名:ハマナス(浜茄子)
学名:Rosa rugosa
英名:Rugosa rose、Japanese rose
分類:バラ科バラ属の落葉低木
原産地:日本(北海道~本州の日本海側、東北、北陸)、中国、朝鮮半島、ロシア沿海地方
開花時期:5月~8月
花色:主に濃い紅紫、まれに白やピンク
良さ・魅力
- 香りが素晴らしい
ハマナスはとても甘く濃厚な香りを持ち、「バラの香りの原点」とも称されるほど。香水やポプリの原料としても重宝されています。 - 海辺を彩る野生のバラ
塩分や風に強く、砂浜でも育つため、海辺の風景に溶け込む美しさがあります。「北国のバラ」として親しまれています。 - 薬用や食用としても有用
実(ローズヒップ)はビタミンCが豊富で、ハーブティーやジャムに活用されます。古くから民間薬としても利用されてきました。 - 日本的な美を象徴する花
北海道の「道の花」に指定されており、短い夏を懸命に咲き誇る姿が北国の生命力を象徴しています。 - 野生種としての強さと美しさの両立
観賞価値も高く、園芸品種のバラの交配親にも使われています。野生種ながら耐寒性・耐塩性が強く、育てやすい点も魅力です。
ハマナスの花言葉

ハマナス(浜茄子)の花言葉には、花の美しさや力強さ、そして野生のたくましさが込められています。以下に詳しく解説します。
美しい悲しみ
この花言葉は、北国の厳しい自然の中で可憐に咲くハマナスの姿から生まれました。浜風に揺れるその花姿には、どこか寂しさやはかなさが漂い、見る者の心を打ちます。特に北海道の原野や海岸でひっそり咲く様子が、多くの文学作品や詩に「哀しみ」と結びつけて描かれてきました。
あなたの魅力にひかれます
これは、ハマナスの濃い紅紫の美しい花と豊かな香りに由来します。花姿も香りも非常に魅力的で、自然に咲く野のバラでありながら人の心を引きつけてやまない存在です。この花言葉には、ひそやかな恋心や秘めた想いといったニュアンスも込められています。
照り映える容色(ようしょく)
太陽の光に照らされて艶やかに咲くハマナスの花の美しさをたたえた表現です。夏の海辺で鮮やかに咲き誇る姿は、まさに「照り映える」存在感を持ち、見る人に強く印象を残します。この花言葉は、見た目の美しさだけでなく、内面からにじみ出る魅力をも象徴しています。
偉大な愛
ハマナスの花言葉の中でも感情の深さを表す言葉です。強風や潮風にも負けずに咲く姿が、揺るがない愛の象徴とされています。これは親子の愛や長年連れ添った夫婦の愛など、時間と試練を超えた愛情を表現するのにふさわしい意味です。
旅の思い出
特に北海道を訪れた人々の間で親しまれている花言葉です。夏にハマナスの群生を見ることで、その景色が旅の中の強い印象として残ることから生まれました。鉄道の寝台特急「はまなす」にも、この意味合いが込められていました。
補足:なぜハマナスには多くの花言葉があるのか?
ハマナスは「自然」「文学」「香り」「薬用」「景観美」など、さまざまな要素を備えた植物です。そのため、一面的ではない、多面的な象徴として多くの花言葉が付けられました。
また、同じバラ科のバラのように色や場面によって意味が変わるため、時代や文化ごとに解釈が増えていったとも言えます。
ハマナスの花言葉~色別ver

日本の海辺に自生するバラ科の植物であるハマナス(浜茄子)は、特に北海道や東北地方で親しまれています。ハマナスの花言葉は色に限らず共通している場合が多いですが、近年ではバラのように色別に象徴的な意味を持たせる解釈も見られるようになっています。以下に、ハマナスの色別の花言葉と、考えられる意味を詳しくご紹介します。
1. 赤・濃いピンク(もっとも一般的な色)
- 情熱的な愛
- 誇り高き美しさ
- 内に秘めた強さ
▶ 海風にも負けないたくましさと、鮮やかな色合いが「強く美しい女性像」と重なり、情熱や誇りという意味を持たせることができます。
2. 白(希少種)
- 純粋な心
- 清らかな祈り
- 無垢の愛
▶ 白いハマナスは非常に珍しく、幻想的な美しさをたたえています。そのため、清楚で誠実な愛情を象徴する意味が込められることがあります。
3. 淡いピンク(園芸品種)
- 優しい気持ち
- 親しみやすさ
- 穏やかな愛
▶ 自然な優しさや包容力を感じさせる色合い。控えめながら温かさを持つ人への贈り物にふさわしいとされます。
4. 紫がかったピンク(夕陽に照らされる姿など)
- 神秘的な魅力
- 孤高の美
- 内面の深さ
▶ 特に夕暮れ時の海辺で見られるような幻想的な色合いから、ミステリアスな意味合いが連想されます。
補足:ハマナスとバラの違い
ハマナスはバラ科バラ属でありながら、野生種らしい素朴さを持っています。園芸バラのような豪華さはないものの、可憐で力強く、詩や歌にもよく登場します(たとえば、石川啄木の短歌や『北の国から』の挿入歌など)。
ハマナスの花言葉とその由来

ハマナス(浜茄子)の花言葉の由来には、植物としての性質や生息地、見た目の美しさ、そして文学や文化との関わりが深く関係しています。以下では、代表的な花言葉とその由来をひとつずつ詳しくご説明します。
悲しくそして美しい
由来:
ハマナスは日本海側の海岸や砂丘といった、風雨や潮風にさらされる厳しい環境に自生します。その過酷な地にありながら、短い夏の間に凛と咲く姿は、どこか儚く、哀愁を帯びた美しさを感じさせます。
このような背景から「悲しみ」と「美しさ」という、相反する感情が同居するような花言葉が生まれました。
また、北国の短い夏に咲くことから、一瞬の美しさ=はかない命を象徴する花としても知られています。
あなたの魅力にひかれる
由来:
ハマナスは素朴ながらも鮮やかな色と香りを持ち、多くの昆虫や人々を引きつけます。特に、バラのように芳醇な香りは高く評価され、古くから香水やジャムなどにも利用されてきました。
このような**「強く惹きつける」自然の力**が、「あなたの魅力にひかれる」というロマンチックな意味へとつながったとされています。
照り映える容色
由来:
花の色が海の青に映えるように鮮やかで、見る人の心に残る美しさを持つことから生まれた言葉です。
「容色」とは「容姿や顔立ちの美しさ」を意味する古い表現であり、特に古典や短歌など文学作品に見られます。
特に明治・大正期の詩人や歌人(与謝野晶子、石川啄木など)によって、ハマナスの花は美しい女性の象徴として詠まれたことも由来のひとつです。
純粋な愛情
由来:
ハマナスは見た目の美しさに加えて、病害虫にも強く、実を結ぶ植物です。根を深く張って群生し、長年同じ場所で咲き続けることから、揺るぎない想いや誠実な愛を象徴すると解釈されるようになりました。
さらに、ハマナスの果実(ローズヒップ)はビタミンCを多く含み、昔から滋養や薬用として親しまれてきたため、「心と体を支える愛情」の意味を重ねることもできます。
文学や文化の影響
ハマナスは文学・歌謡の中で繰り返し登場し、象徴的な意味を持ってきました。
- 石川啄木の歌:「浜梨(ハマナス)の咲く野辺にして我泣かん 涙にくれし昔思いて」
- 宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』:車窓の外に咲く花として描かれ、「死」と「希望」を連想させる
このような文化的な表現も、ハマナスの花言葉の「哀しみと美」「一瞬の輝き」「惹きつける魅力」などのイメージを深めています。
ハマナスの花言葉は怖いと感じられるのか?

「ハマナスの花言葉は怖いの?」という疑問について。
結論から言えば――
ハマナスの花言葉そのものが「怖い」というわけではありません。
しかし、一部の言葉やイメージが寂しさ・哀しみ・儚さを含んでいるため、「怖い」と感じる人がいるのは確かです。
1. 「悲しくそして美しい」という花言葉の印象
この言葉は、情緒的で美しい一方で、死や別れ、失恋などを連想させることもあり、「怖い」や「不吉」と感じる人もいます。
たとえば、以下のような情景が想像されます:
- 荒涼とした海辺に、ひっそりと咲く花
- 夏の短い間だけ咲き、すぐに散る
- 誰にも気づかれず咲いて、誰にも看取られず枯れていく
こうした孤独なイメージが、「美しさの裏にある怖さ」として受け取られることがあります。
2. 文学・詩に見られる「死」や「喪失」の象徴
ハマナスは、石川啄木や宮沢賢治といった詩人たちの作品で**「哀しみ」「別れ」「死」**の象徴として描かれることがあります。
たとえば、石川啄木の短歌にはこのようなものがあります:
浜梨の咲く野辺にして我泣かん
涙にくれし昔思ひて
このような歌から、「ハマナス=悲しい記憶を呼び覚ます花」という印象を抱くことがあり、それが「怖い」と感じられる理由のひとつです。
3. 海辺の孤独な花=死や幽霊のモチーフに?
海辺にひとりで咲いているイメージが、昔話や怪談の舞台と重なって連想されることがあります。特に日本では、**「海=霊が帰る場所」**という文化的な背景があるため、ハマナスがその象徴になってしまうことも。
怖くない面・ポジティブな解釈も多数ある
とはいえ、ハマナスの花言葉にはポジティブなものも多く、以下のような意味もあります:
- 「あなたの魅力にひかれる」(恋愛のときめきを表す)
- 「純粋な愛情」(一途な想い、家族愛)
- 「照り映える容色」(美しさを称賛する言葉)
これらは怖いどころか、愛や美、敬意の表現としてとても素敵な意味を持っています。
怖いではなく深い
ハマナスの花言葉には、「悲しみ」や「儚さ」といった要素があるため、人によっては「怖い」と感じるかもしれません。しかし、それは人の心の奥にある感情を映し出す深さゆえです。
つまり、怖いというより――
「切ない」「美しい」「忘れられない」花言葉だと言えるでしょう。
ハマナスの面白いエピソード・雑学

- アイヌ文化との関わり
アイヌの人々はハマナスの実を食料や薬用に利用し、花も神聖な存在として扱っていました。 - 宮沢賢治とハマナス
宮沢賢治の作品にも登場し、彼の詩の世界において「ハマナス」は北国の自然と人々の生活を象徴する花として描かれています。 - 鉄道の名前にも
かつて運行されていた寝台特急「はまなす」は、この花に由来しています。函館と青森を結び、北国の旅情を感じさせる列車でした。 - アイヌ語では「マウマウ」
ハマナスはアイヌ語で「マウマウ(傷を治すもの)」と呼ばれ、薬効の高さが名前にも表れていました。 - 海辺での強い生命力が文学のモチーフにも
海風にも潮にも負けず咲く姿が、忍耐や希望の象徴として詩や小説に取り上げられることも多いです。
ハマナスの特徴と魅力

「Rosa rugosa」という学名を持つハマナス(浜茄子)は、バラ科バラ属の落葉低木です。属名の”Rosa”からもわかるように、古くからバラと深い関係を持っています。
容色と香りのバリエーション
ハマナスの花は鮮やかなピンク色が主流ですが、白や濃い赤の品種も存在します。香りは非常に高貴で、roseの芳香を感じさせる甘く華やかなものです。この香りは、花屋時代に触れた中でも特に印象的でした。ピンク色の花びらが海風に揺れる様子は、まさに見映えのする容姿そのものです。
ハマナスの開花時期と見頃
開花の時期は6月から8月にかけて。北海道や東北の海岸沿いでは、夏の訪れと共にハマナスの花が咲き誇ります。誕生花としては6月や7月が該当することも多く、季節感を大切にする贈り物にも適しています。見頃にはピンク色の花が一面に咲き、訪れる人の心を癒します。
ハマナスの実とその意味
ハマナスの果実は「ローズヒップ」として知られ、ビタミンCを豊富に含みます。熟すと赤くなり、そのまま観賞用としても美しい上に、薬用や食用にもなります。果実もまた、ハマナスの魅力のひとつ。悲しみの中にも生命力を感じさせる存在です。
ハマナスの由来と歴史

植物としてのハマナスには、名前や分布、自生の歴史など多くの興味深い背景があります。
ハマナスの別名について
ハマナスには「浜梨(ハマナシ)」という別名があります。果実の形が梨に似ていることから名づけられたとされます。実際に触れると、野趣に富んだ質感が感じられます。
日本における分布と自生地
主に北海道から本州北部の日本海沿岸に自生し、風が強く塩分を含む海岸線でも育つたくましさが特徴です。自生のハマナスを見ると、自然と共に生きる力強さを感じます。
雅子さまとの関係
皇后雅子さまのご成婚記念切手にはハマナスの花が描かれています。日本の美と精神を象徴する花として、格式ある場面でも用いられてきたことがわかります。
ハマナスの栽培と楽しみ方

花屋時代、ハマナスの栽培に関する相談を受けることが多く、その強健さと育てやすさが魅力であると感じていました。
品種の紹介:人気のハマナス
定番のピンクに加え、白花の”アルバ”や、花弁が重なった八重咲き品種など、種類も豊富です。園芸用に改良された品種も多く、鉢植えや庭植えで楽しめます。
ハマナスの育て方とお手入れ
日当たりの良い場所を好み、塩害や寒さにも強いため、日本全国での栽培が可能です。剪定は冬季に行い、風通しを良くすることで健康的に育ちます。定期的な肥料と水やりで、毎年美しく咲いてくれます。
ハマナスを使ったアレンジメント
ハマナスは切り花としてはあまり流通していませんが、ドライフラワーやポプリ、ローズヒップティーとしての活用が可能です。香りを活かしたアレンジメントは、花好きな方に喜ばれます。
ハマナスの花言葉まとめ
ハマナスの花言葉には、その生き様や咲き方から導かれる深い意味が込められています。
この花から学ぶ大切なメッセージ
代表的な花言葉は「悲しくそして美しい」「あなたの魅力にひかれる」「純粋な愛情」などがあります。海岸という孤独な環境に咲く姿は、儚さと強さを兼ね備えた象徴です。かなしみの中にも凛とした美しさを感じさせる言葉です。
開花と季節の繋がりについて
ハマナスの花が咲く夏の季節は、心が開かれやすい時期でもあります。季節と花言葉が連動し、「新しい出会い」「別れと再生」といった意味合いを持つこともあります。
今後のハマナスの可能性と期待
観賞用としてだけでなく、ローズヒップを活かした食品・化粧品など、今後の活用も期待されています。写真映えする見た目や、バラ科ならではの香りが、多くの人に再評価される機会になるでしょう。
ハマナスの他は?日本で人気の花々
1. チューリップ
春の訪れを告げる球根花で、色・形ともにバリエーション豊か。明るく元気な印象があり、ガーデニング初心者にもおすすめです。特に赤は情熱、黄色は友情を象徴します。
2. 薔薇(バラ)
花の女王と称されるほどの華やかさと香りが魅力。愛や美、尊敬など多彩な花言葉を持ち、プレゼントにも最適。色ごとに意味が異なるため、メッセージ性も強いです。
3. 桜(サクラ)
日本を象徴する花で、春の風物詩。短い開花期間が「儚さ」「美しさ」「一瞬の輝き」を感じさせ、観賞用としても文化的な価値が高いです。特にお花見は日本文化の一大イベントです。
4. ひまわり
夏を代表する明るい花で、太陽のような存在感が魅力。「あなただけを見つめる」という花言葉も人気。大輪の花が咲き誇る姿は、元気や前向きな気持ちを与えてくれます。
5. アジサイ
梅雨の季節に美しく咲き、雨に濡れてもその魅力が映える花。土壌によって色が変わる性質も特徴で、「移ろい」「変化」を象徴します。和風の庭や切り花にも合います。
6. コスモス
秋の代表花。風に揺れる可憐な姿が「調和」「謙虚さ」などを表します。長く咲き続けるため、ガーデンの彩りにも重宝されます。ピンクや白、赤など、優しい色合いが多いです。
7. スイセン
冬から早春にかけて咲く香り高い花。「自己愛」「気高さ」といった意味を持ち、凛とした姿が印象的。鉢植えや切り花にも向いています。
8. カーネーション
母の日の定番花で、感謝や愛情の象徴。赤やピンクの他に、白や黄色、青など色彩も豊か。日持ちが良く、フラワーギフトにも重宝されます。
9. ユリ(百合)
高貴で清楚な雰囲気を持ち、特に白百合は「純潔」「無垢」の象徴。香りも強く、存在感のある花です。和洋どちらのアレンジメントにも合います。
10. パンジー
寒さに強く、冬から春にかけて長く咲くガーデニングの定番。花の顔のような模様がユニークで親しみやすい存在。「思慮深さ」「記憶」など、哲学的な花言葉も魅力です。
おわりに
花屋の元店員として、ハマナスは「日常にある非日常」のような特別な存在でした。植物としての美しさ、文化的な意味、そして花言葉の深み。それらすべてが、ハマナスという花に心を惹かれる理由だと感じます。
ぜひ、ハマナスの花を見かけたら、その背後にある意味や想いに目を向けてみてください。そこには、あなた自身の心にも寄り添うメッセージが隠れているかもしれません。
ライター紹介 Writer introduction

さとすけ
花屋で働いてた日本男児(O型) コピーライターの経験も活かし花に関して、わかりやすく&信ぴょう性がある記事作りを心掛けながら配信中。 instagramでは「動く!4コマ漫画~花言葉劇場」を投稿しています。

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