- 2024年7月27日

コピーライターで花屋の元店員です。今回は「タチアオイ」と「花言葉」に焦点を当てて、誕生花としての意味やプレゼントにおすすめの理由、栽培方法から文化的背景まで、丁寧にご紹介します。タチアオイの咲く風景は、梅雨の季節に鮮やかな彩りを与えてくれる美しい植物です。高く伸びる姿には野心と威厳を感じ、特別な意味をもたらしてくれます。
タチアオイの基本情報

- 学名:Alcea rosea
- 英名:Hollyhock(ホリーホック)
- 科属:アオイ科タチアオイ属
- 原産地:中近東〜中国西部
- 開花時期:6月〜8月(梅雨時〜夏)
- 花色:赤、白、ピンク、紫、黄色、黒に近い濃紫など多彩
- 草丈:1〜3メートルにもなる高性種
- 生育環境:日当たりと水はけの良い場所を好む
良さ・魅力
- 見上げるほどの高さ
まっすぐに空に向かって咲く姿が印象的で、視線を引きつけます。背が高くボリュームもあるため、花壇の背景や街道沿いを華やかに彩ります。 - 長期間楽しめる花期
一つの茎にたくさんの花をつけ、下から順に開花していくため、1本でも長く楽しめるのが特徴です。 - 梅雨時期の風物詩
梅雨入りとともに咲き始め、てっぺんまで咲き終わるころに梅雨明けを迎えると言われ、日本の季節感と結びついています。 - 花色の豊富さ
華やかな赤や優しいピンク、清楚な白、神秘的な黒紫など、色のバリエーションが非常に豊富で、組み合わせ次第でさまざまな景観を演出できます。
タチアオイの花言葉と意味
タチアオイ(立葵)の花言葉は、花の特徴や文化的背景から生まれた深い意味を持っています。以下に、代表的な花言葉とその由来、色別の花言葉についても詳しく解説します。
1. 「大望」
背が高く、まっすぐ空に向かって伸びる姿から、「高い目標を持って努力する」という意味が込められています。将来への希望や夢を象徴するポジティブな花言葉です。
2. 「野心」
「大望」と似た意味で、自分の理想を実現しようとする強い意志を象徴します。力強く咲くタチアオイの姿が、前向きな気持ちを連想させます。
3. 「気高く威厳に満ちた美」
背が高く優雅に咲くタチアオイの佇まいから、「品格」や「威厳」といった印象を与えることも多く、凛とした美しさを称える意味が込められています。
花言葉にまつわるエピソード
・梅雨明けとの関係から、「希望が満ちていく」とも解釈され、変化を乗り越える力を象徴するとされています。
・西洋では「栄光」や「豊かさ」の象徴として扱われ、古くから魔除けや薬用植物としても重宝されていました。
タチアオイの花言葉~色別ver(日本中心の解釈)

タチアオイ(立葵)は、花の色によって印象が大きく変わるため、それぞれの色に対応する色別の花言葉が存在します。ただし、正式な「花言葉辞典」などでは色別の記載が少ないこともあり、園芸文化や色彩象徴に基づいた解釈も含めてご紹介します。
赤色のタチアオイ
- 花言葉:情熱・勇気・活力
- 意味:燃えるような赤は、生命力や情熱を象徴。梅雨空の下でも力強く咲く姿から、挑戦する心を後押しする色です。
白色のタチアオイ
- 花言葉:純潔・尊厳・無垢
- 意味:真っ白な花は、けがれなき心や高貴な存在を連想させます。儀式や神聖な場にもふさわしい色とされ、格式のある印象を与えます。
ピンク色のタチアオイ
- 花言葉:優しさ・思いやり・穏やかな愛
- 意味:淡いピンクは、やわらかで女性的な雰囲気。家庭的な愛情や、人を癒す優しさを象徴する色とされています。
紫色のタチアオイ
- 花言葉:崇高・神秘・知性
- 意味:紫は古くから高貴な色とされ、内面の深さや精神性を象徴します。落ち着いた印象で、知的で凛とした美しさを表現します。
黄色のタチアオイ
- 花言葉:希望・明朗・友情
- 意味:太陽のように明るい黄色は、前向きな気持ちや楽しい交流を示します。友人への贈り物としても適しています。
黒紫色(黒に近い濃紫)のタチアオイ
- 花言葉:沈黙・孤高・威厳
- 意味:シックで存在感のある黒紫色は、ミステリアスで重厚な雰囲気を持ちます。独自の美意識や「一人で立つ強さ」を象徴します。
注意点
- タチアオイの基本的な花言葉(共通の意味)は、「大望」「野心」「気高く威厳に満ちた美」などです。色別の花言葉は、その派生的・補足的な解釈として捉えるとよいでしょう。
- 西洋(特にイギリスやドイツ)でも色彩に基づいた意味づけは存在しますが、日本とは少し異なる傾向があります。
タチアオイの花言葉とその由来

タチアオイ(立葵)の花言葉の由来は、その外見的特徴や生育環境、歴史的・文化的背景に深く結びついています。以下に、主要な花言葉とその由来を詳しく解説します。
① 「大望」
由来:空に向かって真っ直ぐ伸びる性質から
タチアオイは1〜3メートルにも達する高い茎を持ち、下から順に花を咲かせながら、てっぺんまで成長していきます。この堂々たる成長ぶりが、「高い目標を持ち、それに向かって努力する姿勢」を象徴し、花言葉「大望(たいぼう)」が生まれました。
→ まるで人生の階段を一段一段登っていくような花の咲き方が、その象徴とされています。
② 「野心」
由来:「大望」と同じく、成長力と貫く姿勢から
「大望」よりやや強い言葉として「野心」も与えられています。これは、ただ夢を見るだけでなく、実現のために突き進もうとする“野心的な精神”を連想させる花姿に由来しています。
→ 志を高く持ち、自分の力で運命を切り拓こうとする人へのエールのような意味合いがあります。
③ 「気高く威厳に満ちた美」
由来:優雅な佇まいと凛とした姿勢から
タチアオイは見た目の華やかさだけでなく、すっと立ち上がる茎と整った花弁が、どこか貴族的な品格を感じさせます。その姿が「気高さ」「威厳」「美しさ」と結びつき、花言葉に反映されました。
→ 平安時代から高貴な行事「葵祭」で用いられる植物としても知られ、歴史的にも気品を象徴する存在でした。
歴史・文化的背景からの補足
◆ 梅雨とタチアオイ
タチアオイは6月〜7月にかけて咲き、**「花が一番上まで咲くと梅雨が明ける」という言い伝えがあります。これは自然のリズムに寄り添う植物として人々に親しまれてきた証で、「忍耐の象徴」や「希望の到来」**とも捉えられます。
→ 厳しい時期(梅雨)を越えた先にある希望や達成、これも「大望」や「野心」という花言葉と重なります。
補足:西洋での象徴
英語名「Hollyhock(ホリーホック)」として知られるタチアオイは、中世ヨーロッパでは魔除けや豊穣の象徴とされていました。これも、力強い生命力と再生のイメージからくるもので、花言葉的には「栄光」「母性」「復活」といった意味合いで用いられることがあります。
由来のまとめ
花言葉 | 由来 |
---|---|
大望 | 空高く伸びる茎と咲き上がる花の姿 |
野心 | 目標に向かって突き進む力強い生長 |
気高く威厳に満ちた美 | 高貴な姿、歴史的背景(葵祭など) |
忍耐・希望(派生的意味) | 梅雨の始まりから終わりを告げる花としての役割 |
タチアオイの花言葉は怖いの?

タチアオイ(立葵)の花言葉そのものは基本的に「怖い」意味ではありません。ただし、使い方や受け取り方によっては「怖い」と感じることがあるかもしれないため、そうした誤解が生まれる背景も含めて詳しく解説します。
「怖い」と感じられる理由とは?
① 「野心」という言葉の印象
「野心」は前向きな意味を持ちますが、場合によっては「欲深さ」や「打算的」といったマイナスな印象を持たれることもあります。
- 例:「あの人は野心家だ」→良くも悪くも“したたかさ”を感じる
- このため、「怖い」や「計算高い」といったイメージに結びつくことがあるのです。
② 高さや姿の“異質さ”
タチアオイは草丈が2〜3メートルにもなり、人間の背丈を超えるような大きな花です。梅雨のじめじめした中、長く伸びた茎に大量の花を咲かせる様子が、見る人によっては不気味・不自然に感じられることもあります。
- 梅雨の曇天の下にすっと立ち上がる様子が、「無音の存在感」を持つとも。
③ 黒紫や濃い赤の色の印象
色によっては「死」や「闇」を連想させることがあります。
- 黒紫(黒葵):沈黙・孤高・威厳などの象徴とされますが、人によっては「寂しい」「不気味」と感じることも。
- こうした色彩心理から、「怖い」と感じる人も。
④ 花が咲き終わる時の姿
咲き終わったタチアオイは、茎だけが高く残り、下の花が枯れていくため、**“朽ちていく塔”**のように映ることも。その姿に「物悲しさ」「終末感」を感じて「怖い」と思う人がいるかもしれません。
結論
要素 | 怖いと感じられるかも? | 本来の意味 |
---|---|---|
野心 | 欲深い印象になることも | 高い志・努力の象徴 |
色(黒紫など) | 死や闇を連想する人も | 威厳・孤高さの象徴 |
花姿 | 高くて目立つ・梅雨に咲くため異質感がある | 成長・季節の指標としての象徴 |
咲き終わり | 枯れた花が目立つ | 命のサイクルの象徴とも解釈できる |
基本的に怖い意味はない
タチアオイの花言葉は、基本的には尊敬・希望・気高さを表すポジティブな意味です。「怖い」という印象は人によって感じ方が異なる部分にすぎません。
タチアオイの面白いエピソード・文化的な背景

- 「梅雨明け予報花」
江戸時代から「タチアオイの花が一番上まで咲くと梅雨が明ける」と言われ、農家にとって重要な自然のカレンダーとされてきました。 - 源氏物語との関連
タチアオイは『葵祭』にも象徴的に登場し、源氏物語ではヒロイン「葵の上」の名前の由来ともなっています。これは平安貴族にとっても神聖な花だったことを物語っています。 - イギリス王家の花としても有名
英名「ホリーホック」は中世ヨーロッパでも人気があり、イギリス王家の庭園によく植えられていました。英国では田園の象徴ともされています。
タチアオイの誕生花としての位置付け
日本でも初夏の風物詩として親しまれている植物であるタチアオイという花。季節の節目を感じさせる咲き方や、その存在感のある姿から、誕生花としても重要な意味を持っています。
誕生花としてのタチアオイ
タチアオイは、特に6月下旬から7月上旬にかけて誕生日を迎える方にふさわしい誕生花として扱われています。この時期は梅雨と重なり、空模様が移ろいやすい季節です。そんな中で、空に向かって真っ直ぐに咲き誇る立葵は、希望と力強さを象徴しています。
誕生花の持つ特別な意味
誕生花には、その月や季節にちなんだ象徴的な意味が込められています。タチアオイの花言葉「大望」「野心」「威厳」は、人生の節目に新たな目標を持ちたい人や、自信を持って進みたい人に寄り添う意味を持っています。ピンク色のタチアオイは特に、優しさと愛情の意味を込めて贈ることができ、誕生日のプレゼントとして非常に喜ばれます。
タチアオイにまつわるプレゼントアイデア

花屋の店頭では、タチアオイを見かけると「お庭用ですか? それともプレゼントですか?」とよく尋ねられました。それほど存在感のあるこの植物は、ギフトとしてもインパクトを与える花のひとつです。
花言葉を用いたギフトの選び方
タチアオイの花言葉を活かすギフトでは、メッセージカードにその意味を添えることで、贈る側の気持ちがより伝わります。たとえば「これからの挑戦を応援しています」という言葉とともに、タチアオイの鉢植えや一輪の花を贈るのも効果的です。
特別な日に贈るタチアオイの実り
タチアオイは季節感があるため、梅雨の時期に贈ると非常に印象に残ります。特に新しいスタートを切る入学や就職、退職などの節目に、「実りある未来」を願ってプレゼントするのにふさわしい花です。ピンクの品種は柔らかく上品な印象を与え、年齢や性別を問わず喜ばれる色味です。
タチアオイの育て方と時期

タチアオイは比較的育てやすい植物ですが、いくつかのポイントを押さえておくことで、より美しく咲かせることができます。
栽培のポイント
日当たりと風通しの良い場所を選び、土壌は水はけのよいものを使用しましょう。梅雨の時期は根腐れに注意が必要です。支柱を立てて倒れないようにするのも大切です。肥料は控えめに、しかし定期的に与えることで、しっかりとした茎と美しい花が育ちます。
咲く時期とその魅力
開花時期は6月中旬から7月末頃まで。下から上に向かって次々に咲いていく姿は、見ている人に季節の流れを感じさせてくれます。特に梅雨の晴れ間に咲くタチアオイは、まるで希望の光のように映ります。
タチアオイの品種紹介

タチアオイには実に多くの品種が存在し、それぞれに個性があります。花屋の立場としても、好みに応じておすすめを変えることが多い植物でした。
知られざる品種の特徴
八重咲きのタチアオイは、ボリューム感があり華やかで、豪華な印象を与えます。また、黒に近い濃い紫色の品種は、シックで重厚感があり、年配の方にも人気です。花びらの縁がフリルのようになっているものは、繊細で可憐な印象を持っています。
おすすめのタチアオイの品種
ピンクの「チャターピンク」や、深紅の「チャターディープレッド」は、ギフトや庭植えとしても人気です。これらの品種は育てやすく、長く楽しめるため初心者にもおすすめです。
タチアオイの歴史と文化的背景

立葵は単なる植物ではなく、長い歴史と文化に根ざした存在です。その背景を知ることで、より深く魅力を感じられるでしょう。
タチアオイと日本の伝統文化
京都の「葵祭」でも知られるように、タチアオイは日本の伝統行事と深く結びついています。平安時代には神事や貴族文化の中で尊ばれ、厄除けや神聖な植物として重用されてきました。
タチアオイが描かれたアートと文学
浮世絵や和歌にも登場するタチアオイは、日本人の感性と共に歩んできた花です。特に梅雨時の風情や、はかなくも力強い咲き方が、詩や物語の題材として描かれてきました。
タチアオイの花言葉を添えて
最後に、タチアオイの花言葉をまとめるとともに、贈る際に気をつけたいポイントを紹介します。
花言葉まとめ
- 大望:大きな夢や目標を持つ人へのエール
- 野心:前向きな向上心、挑戦を続ける姿
- 威厳:堂々とした佇まい、品格を表す
- ピンク:優しさ、思いやり、穏やかな愛情
これらの言葉は、贈る相手の人生や心情に寄り添うものばかりです。
タチアオイを贈る際のポイント
花言葉の意味を一言添えるだけで、印象は大きく変わります。カードや口頭でメッセージを伝えることで、より心に残るプレゼントとなるでしょう。また、育てる楽しさもある植物なので、鉢植えでのギフトもおすすめです。
タチアオイの他は?日本で人気の花々
以下は、日本で人気の高い花10選と、それぞれの良さや魅力を丁寧にご紹介したリストです。贈り物や観賞、季節の風物詩としても親しまれている花々を中心に選びました。
1. チューリップ
春の代表格。可愛らしいフォルムと豊富な色が魅力です。色によって花言葉が異なり、恋愛や感謝の気持ちを伝えるのにもぴったり。子どもから大人まで幅広く愛される存在です。
2. 薔薇(バラ)
高貴で華やかな印象を持つ花。贈り物や特別な日を彩る定番で、赤は情熱、白は純潔、ピンクは上品な愛を表現します。香りも良く、品種も多彩で、育てる楽しさもあります。
3. 桜(サクラ)
日本の春を象徴する花。咲いては散る儚さが美しさとなり、心に響きます。花見など季節の行事にも欠かせず、「始まり」や「別れ」の象徴としても多くの人に親しまれています。
4. ヒマワリ
太陽のように明るく、元気をくれる夏の花。前向きな花言葉を持ち、見る人にパワーを与えます。子どもたちの絵にもよく描かれる、身近で親しみやすい存在です。
5. アジサイ(紫陽花)
梅雨時期に咲き、色の移ろいが美しい花。青やピンク、紫などの色彩が雨に映え、情緒を誘います。土の性質で花色が変わるなど、自然とのつながりを感じられる花です。
6. スズラン(鈴蘭)
小さな白い花が鈴のように連なる可憐な姿が人気。見た目の可愛らしさと、「幸福の再来」などの花言葉が相まって、贈り物にもよく選ばれます。香りも上品です。
7. ラベンダー
美しい紫色とリラックス効果のある香りで人気。見た目にも癒され、ドライフラワーやアロマにも使われます。育てやすく、ガーデニング初心者にもおすすめです。
8. コスモス
秋の風物詩として親しまれ、可憐で風に揺れる姿が印象的。色はピンクや白、赤などがあり、ナチュラルな雰囲気が魅力。優しさや調和といった花言葉も心を和ませます。
9. 牡丹(ボタン)
「花の王」とも呼ばれる豪華な咲き姿が特徴。古来から美の象徴とされ、和の趣がありながらも洋風ガーデンにも映えます。春に咲き、存在感のある花です。
10. 椿(ツバキ)
冬から春先にかけて咲く花。艶やかな花びらが特徴で、赤・白・ピンクなど多様。茶道や着物の柄など日本文化と深く結びつき、控えめながらも強い魅力を持ちます。
最後に
タチアオイは、その咲き方や存在感だけでなく、花言葉にも奥深い意味が込められた植物です。プレゼントに、庭づくりに、心を伝えるツールとして、ぜひ取り入れてみてください。
ライター紹介 Writer introduction

さとすけ
花屋で働いてた日本男児(O型) コピーライターの経験も活かし花に関して、わかりやすく&信ぴょう性がある記事作りを心掛けながら配信中。 instagramでは「動く!4コマ漫画~花言葉劇場」を投稿しています。

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