
コピーライターで花屋の元店員です。今回は「モントブレチア」と「花言葉」をテーマに、花の魅力、由来、育て方、そしてギフトや思い出に寄り添う使い方まで詳しくお伝えします。モントブレチアは「姫檜扇水仙(ヒメヒオウギズイセン)」とも呼ばれ、夏の庭を彩るオレンジ色の花びらが特徴的な植物です。その美しい形状と鮮やかな花色は、フラワーアレンジメントや贈り物としても人気が高く、花言葉も含めて深い意味を持っています。
モントブレチアとは?基本情報

- 分類:アヤメ科クロコスミア属
- 原産:南アフリカ
- 開花時期:6月下旬~9月頃
- 草丈:50~80cmほど
- 花色:赤、オレンジ、黄など暖色系
- 別名:クロコスミア、ヒメヒオウギズイセン、ジャイアントモントブレチア(大型種)
剣状の細長い葉から花茎を伸ばし、アーチを描くように小花を連ねて咲かせます。花はユリのように鮮やかで、群生すると非常に華やかです。
良さ・魅力
- 丈夫で育てやすい
球根植物で一度植えると毎年花を咲かせ、繁殖力も強いため、庭や道端で自然に群生することもあります。 - 鮮やかな花色
夏から秋にかけての花としては珍しいオレンジや赤の花色が、庭を一気に明るくします。 - 切り花としても人気
花持ちが良く、涼しげな細長い葉も合わせてアレンジメントや生け花に使われます。 - 香りを持つ種もある
種類によっては、葉や球根をこするとクロッカスに似た芳香が感じられるものもあり、「クロコスミア」という属名の由来にもなっています。
モントブレチアの花言葉

- 「陽気」「楽しい思い出」「青春の喜び」
- 「気品」「すてきな思い出」
花言葉の意味と由来
- 「陽気」「青春の喜び」
モントブレチアの花は、夏から秋にかけて燃えるような赤やオレンジの小花を穂状に咲かせます。
その明るい色彩と元気いっぱいの姿から「陽気さ」や「青春の喜び」といった前向きでエネルギッシュなイメージが結びつきました。 - 「楽しい思い出」「すてきな思い出」
明治時代に日本に導入され、田舎道や川辺に群生する姿は、夏休みや里帰りの記憶と重なります。
子ども時代の原風景に登場することも多く、その懐かしい印象から「楽しい思い出」という花言葉が与えられています。 - 「気品」
弓なりにしなやかに伸びる花茎と、涼しげな剣状の葉が、凛とした姿を思わせます。生け花でも重宝される端正なラインから「気品」という花言葉も生まれました。
花言葉の贈り物としての意味
- ポジティブな思い出や元気を伝えたいとき
→ 「楽しい思い出」や「青春の喜び」の花言葉から、友人や家族への贈り物にぴったりです。 - 明るいエネルギーを届けたいとき
→ 夏らしい鮮やかな花色と「陽気」の花言葉は、励ましや元気づけの花束としても合います。
モントブレチアは、単に美しいだけでなく、懐かしさや夏の思い出と深く結びついた花なんです。
モントブレチアの花言葉~色別ver

赤色
- 花言葉:「情熱」「恋の思い出」
- 意味:燃えるような赤い花姿が、激しい愛情や強い想いを象徴します。特に「恋の思い出」という言葉は、夏の鮮烈な恋や青春時代の記憶と重ねられることが多いです。
オレンジ色
- 花言葉:「陽気」「楽しい思い出」
- 意味:夏から秋にかけて太陽のように明るいオレンジの花は、活発で元気な印象を与えます。夏休みや田舎の原風景に咲く花としての懐かしさから、「楽しい思い出」とも結びついています。
黄色
- 花言葉:「友情」「青春の喜び」
- 意味:黄色い花は明るく優しい雰囲気があり、仲間との楽しい時間や友情を象徴します。群生して咲く姿は、にぎやかに過ごす青春のひとこまを思わせます。
色に共通する全般的な意味
どの色にも共通するのは、「明るさ」「夏の思い出」「気品」 です。
モントブレチアの弓なりにしなやかな花姿は上品でありながら、色彩は元気にあふれているため、贈り物や庭の彩りとして「懐かしさ」と「喜び」を届ける存在となっています。
赤は「恋の情熱」、オレンジは「楽しい思い出」、黄色は「友情や青春の喜び」と色ごとに使い分けられるので、贈るシーンに合わせて選ぶととても素敵です。
モントブレチアの花言葉は怖いの?

「花言葉=怖い」というイメージを持つ花もありますが、モントブレチア(クロコスミア)の花言葉は基本的に怖いものではありません。
代表的な花言葉
- 「楽しい思い出」
- 「陽気」
- 「気品」
- 「静かな想い」
- 「青春の喜び」
これらは、モントブレチアが夏から秋にかけて明るく群れ咲き、見る人に懐かしさや明るさを与える姿から生まれたものです。ポジティブで前向きな意味が多く、怖い要素は基本的にありません。
「怖い」と言われる理由があるとすれば?
実は、モントブレチアの花言葉が「恋の思い出」とされることがあります。
この「思い出」という言葉が人によっては「過去の恋」「叶わなかった恋」など少し切ないイメージに結びつくことがあり、「怖い」というよりはどこか儚い、寂しさを含んだニュアンスを感じる人もいるかもしれません。
また、群生して一面に咲き誇る姿が、田舎の夏の風景やお盆の時期を思い出させることから、「先祖や過去を偲ぶ花」として捉えられることもあり、それが「少し怖い」という印象につながるケースもあります。
基本的には怖い花言葉はない
- モントブレチアの花言葉は基本的に明るく前向きで「怖いものではない」
- ただし「恋の思い出」「静かな想い」など、少し切なさや郷愁を含む意味もある
- 夏の原風景やお盆の季節と重なることで「少し怖い」と感じる人もいる
モントブレチアの面白いエピソード

- 名前の由来
「モントブレチア(Montbretia)」は、フランスの植物学者モンブレット(Antoine François Ernest Conquebert de Montbret)にちなんで名付けられました。
ただし現在は正式な学名としては「クロコスミア」と呼ぶのが一般的です。 - 日本への伝来
明治時代に園芸用として導入されましたが、繁殖力が非常に強いため、現在では各地の川辺や道端などで野生化して群生しています。特に夏の田舎道を彩る花として親しまれています。 - 生け花の題材
日本のいけばなでは、直線的で涼やかな葉と、しなやかに垂れる花茎のラインが好まれ、夏の取り合わせにしばしば登場します。 - 野生化問題
あまりに繁殖力が強いため、地方によっては「外来植物による在来植物への影響」が指摘されることもあります。それだけ強健で、自然の中で力強く根を張る花ともいえます。
「丈夫で華やか」「夏を彩るオレンジの炎のような花」として親しまれてきた一方で、園芸花としての美しさと野生化したたくましさの両面を持っているのが面白いところです。
モントブレチアの育て方
花屋で働いていた頃も、お客様からよく「育てやすい花はどれですか?」と尋ねられました。その中でおすすめしたのがモントブレチアです。丈夫で管理が比較的容易な植物であり、初心者にも向いています。
栽培環境と土の選び方
モントブレチアは日当たりを好み、風通しの良い場所で育ちます。学名は「Crocosmia」(クロコスミア)で、属名の由来はギリシャ語の「クロコス=サフラン」と「オスメ=香り」から来ています。土は水はけの良いものが適しており、腐葉土や赤玉土をブレンドした培養土がおすすめです。
水やりのポイント
成長期である春から夏にかけては土の表面が乾いたらしっかり水を与えます。ただし過湿は苦手なので、鉢植えの場合は受け皿に水を溜めないように注意します。休眠期の冬は水やりを控えて乾燥気味に管理しましょう。
施肥と剪定の注意点
施肥は緩効性肥料を春先に与えると元気に育ちます。花後は枯れた花びらを摘み取ることで見た目も美しく、翌年の開花にも良い影響を与えます。葉は光合成に必要なので、枯れるまでは残しておくと球根がしっかり育ちます。
モントブレチアの季節と人気

モントブレチアは夏の花として多くの人に親しまれています。特に盛夏に咲き誇る姿は陽気な雰囲気を漂わせ、庭や公園を華やかに彩ります。
盛夏に咲くモントブレチア
開花期は7月から8月で、真夏の太陽の下で鮮烈なオレンジ色が輝きます。その色合いはヒマワリやマリーゴールドと並んで夏の代表的なフラワーとされ、季節を象徴する存在です。
人気の花色とその魅力
モントブレチアの花色はオレンジ色が代表的ですが、ピンク系や黄色を帯びた品種もあります。特にオレンジ色は「情熱」や「活力」の象徴とされ、元気を与える贈り物として人気があります。花言葉の「謙譲」も加わり、控えめながら力強い印象を持つのが特徴です。
アレンジメントやギフトとしての利用
花屋の現場でも、モントブレチアは切り花として重宝されます。花持ちがよく、アヤメやダリアなどと組み合わせると華やかさが増します。誕生日や記念日の贈り物、夏の便りとしてのフラワーアレンジメントにもぴったりです。
モントブレチアに関連する花々

花の世界では、同じ季節に咲く花や似た形状を持つ花を一緒に楽しむことが多いです。モントブレチアもその例外ではありません。
同じ季節に咲く花たち(マリーゴールド、ダリアなど)
モントブレチアと同時期に咲く花には、陽気な雰囲気を持つマリーゴールドや、豪華な花姿が魅力のダリアがあります。これらを一緒に植えることで夏の庭は一層華やかになります。
類似する花の花言葉(ヒルガオ、アルストロメリアなど)
モントブレチアは花姿がヒルガオやアルストロメリアに似ています。アルストロメリアの花言葉は「持続」「未来への憧れ」であり、共に「希望」や「思い出」を象徴する点が共通しています。こうした比較は花屋でギフトを選ぶ際の参考になります。
モントブレチアの花と共に楽しむフラワーアレンジメント
和名「姫檜扇水仙」の名が示すように、檜扇を広げたような形状が特徴的です。この花びらを生かし、キキョウやヒマワリと組み合わせると立体的でダイナミックなアレンジメントが完成します。価格も比較的手頃で、季節感を演出するギフトとして重宝されます。
モントブレチアの由来と広がり

トルコそして世界への広がり
モントブレチアは南アフリカ原産ですが、19世紀にヨーロッパへ渡り、園芸植物として世界中に広まりました。特にトルコやフランスで人気を集め、その後「Montbretia」という名前で定着しました。日本には明治時代に渡来し、今では庭園や公園で広く見られる植物です。
モントブレチアとギフトの関係
モントブレチアの花言葉「謙譲」は、控えめながらも誠実な心を象徴します。このため、感謝の思いを込めた贈り物やお世話になった方へのギフトに適しています。花屋時代も、目立たないけれど意味を大切にする方に選ばれる花でした。
花の由来にまつわる伝説
「クロコスミア」という属名は「香りのサフラン」を意味し、乾燥させた花を水に浸すとサフランのような香りがすると言われています。古くから香りや色彩にまつわる伝説が残されており、思い出や便りとして人々の暮らしに寄り添ってきました。
モントブレチアを楽しむためのヒント

最後に、花屋の元店員としておすすめしたい楽しみ方をご紹介します。
癒しの香りと色彩の楽しみ方
モントブレチアは香りが穏やかで、庭に咲かせると夏の風と共に爽やかな印象を与えてくれます。鮮やかなオレンジ色は陽気で明るい気持ちにしてくれ、インテリアのアクセントにも最適です。
思い出や便りに寄せる花としての利用
誕生日や記念日に贈る花としても喜ばれます。花言葉に込められた「謙譲」や「陽気な心」は、大切な人との思い出を彩る意味を持ち、便りとしての花束にもふさわしいです。
誕生日や記念日とモントブレチアの関係
モントブレチアは7月や8月の誕生花とされることが多く、夏生まれの方に贈ると特別な思いを伝えることができます。誕生日プレゼントや結婚記念日のフラワーアレンジメントに取り入れると、季節感と共に心のこもった贈り物になります。
モントブレチアの他は?日本で人気の高い花
- チューリップ
春を代表する花で、色のバリエーションが豊富です。赤は愛情、黄色は希望、ピンクは優しさを表すなど花言葉も多彩。球根から育てやすく、ガーデニング初心者にも人気です。 - 薔薇(バラ)
「花の女王」と呼ばれ、贈り物やアレンジメントに欠かせない存在です。赤は情熱、白は純潔、青は奇跡と、花色による花言葉の幅が魅力。高級感と華やかさで特別な場面を彩ります。 - 桜(サクラ)
日本を象徴する花であり、春の訪れを知らせます。花言葉は「精神の美」や「優れた美人」。短い開花期間が儚さを演出し、お花見文化としても多くの人に愛されています。 - ひまわり
夏を象徴する花で、太陽のように明るく元気を与えてくれます。花言葉は「憧れ」「あなただけを見つめる」。大きな花姿は庭や花束にインパクトを与え、明朗快活な印象を届けます。 - カーネーション
母の日の定番で、感謝や愛情を表現する花です。赤は母への愛、ピンクは温かい心、白は純粋な愛を象徴。花持ちが良く、アレンジメントやギフトに重宝されます。 - ユリ
優雅で気品ある花姿が魅力。花言葉は「純粋」「無垢」「威厳」。香りも高貴で、冠婚葬祭などフォーマルな場面でも多用される日本人に馴染み深い花です。 - アジサイ
梅雨を彩る花で、土壌の酸度によって青やピンクに花色が変化します。花言葉は「移り気」「家族団らん」。雨に濡れる姿が風情を感じさせ、庭植えにも人気があります。 - コスモス
秋を代表する花で、風に揺れる姿が可憐。花言葉は「調和」「乙女の純真」。手軽に育てられ、ピンクや白、赤などの花色が秋の風景を鮮やかに彩ります。 - 梅(ウメ)
早春に咲く香り高い花で、新春を告げる存在です。花言葉は「高潔」「忍耐」。厳しい冬を越えて咲く姿に力強さがあり、日本文化にも深く根付いた花です。 - 椿(ツバキ)
冬から春にかけて咲き、つややかな花びらと濃緑の葉が特徴。花言葉は「控えめな美」「誇り」。茶道や和の雰囲気に調和し、古くから日本庭園でも愛されています。
まとめ
モントブレチアは、その花色、由来、花言葉、そして誕生花としての意味まで、多彩な魅力を持つ植物です。夏の庭を明るく彩り、ギフトや思い出を豊かにする存在として、ぜひ暮らしに取り入れてみてください。
ライター紹介 Writer introduction

さとすけ
花屋で働いてた日本男児(O型) コピーライターの経験も活かし花に関して、わかりやすく&信ぴょう性がある記事作りを心掛けながら配信中。 instagramでは「動く!4コマ漫画~花言葉劇場」を投稿しています。
